葬儀で茶碗を割る

 

以前、ある地方の方と話していてこの風習を耳にしました。

その方が日本全国すべてで行われていると思っていたようで、私の地方では目にしたことはないと伝えると驚いていました。

この茶碗を割る風習は関西を中心として中国地方でもで多いとされ、宗派によってというよりも地方的な儀式のようです。

関東や中部地方ではないと聞いていますので、ひょっとすれば西日本での風習ということかもしれません。

 

出棺時に茶碗を割る意味とは?

 

もともとは

 

「故人の生前に愛用していた茶碗を割る」

 

というものだったようです。

出棺時に霊柩車はブザーを鳴らしますが、そのときにこの茶碗を割るという儀式を行うようです。

ただし最近では故人の茶碗ではなく、葬儀社が茶碗を用意することが多くなっているようです。

自宅で生活してそのまま臨終となることは少なくなりましたが、老人ホームに入居していればそのホームのお茶碗を使用しています。

こうなれば自分の茶碗はないので、葬儀社が用意する茶碗を割るということになります。

この意味としては

 

茶碗を割ることでこの世に戻らずにあの世にちゃんと行けるように

 

というものがあるようです。

こうして見れば、葬儀とは故人の人生の卒業式であることがよくわかります。

 

  • 読経
  • 引導での松明

 

も同様にあの世に送ることと、次の人生のスムーズな開始を目的としたものであることがわかります。

 

参照

葬儀の引導でなぜ松明を使うのか?

 

霊柩車のクラクションの意味とは?

 

これもよくわからない方は多いと思います。

これは宗教から来ているものではないとされます。

昔は一番鶏の鳴き声で遺体を火葬場まで徒歩で搬送していました。

(野辺送りといわれます)

現在はこのような早朝に火葬場に行くことはないのですが、この鳥の声の代わりに霊柩車のクラクションを鳴らすとされています。

ただし霊柩車のドライバーの方も故人との別れの意味で鳴らしているとよく聞きますが、古来からの本当の意味は知らないことが多いようです。

 

一膳飯と茶碗割り

 

よく仏壇や葬儀では盛り飯をしているのを見ることがあると思います。

これは一膳飯といわれます。

箸を立てて、飯に突き刺しているところも多いのです。

この茶碗が燃えるのであれば、棺に入れて一緒に火葬をします。

そして残りの茶碗を割ることになります。

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