故人が亡くなるとその口座はすぐに凍結されるというような噂を聞いたこともあるかもしれません。
葬儀費用その他の出費が必要となるのが葬儀時期といえますが、口座凍結のタイミング、そして凍結された口座の解除の方法について解説をします。
死亡届の提出で口座凍結が自動的に始まる?
よく死亡すればその故人の口座は凍結されるというように思っている人もいますが、実はそうではありません。
- 市役所に死亡届を提出する
- 金融機関に市役所から死亡情報が届けられるというわけではない
ということで特に死亡届の提出によってすぐに金融機関に情報が届き、口座凍結されるというわけでもないのです。
この口座凍結はなぜか昔から広まって誤認識されている都市伝説の1つといって良いです。
金融機関への死亡後の相談と口座の扱い
金融機関として死亡情報をつかむのは、葬儀費用など故人の口座からお金を引き出すかどうかの相談をしたときとなります。
この相談をすれば金融機関ははじめて故人の口座を凍結して、お金を引き出せなくします。
そして後述しますような遺族による手続きをしなければ凍結解除もなされません。
- 故人の口座からお金を引き出しても刑事的な問題とはあまりならない
- しかし相続人が他にもいたときに民事問題となることもある
ということで基本的には兄弟、故人の配偶者と話し合いをして、その上で金融機関に葬儀費用などの引き出しをしていくというのが正しい手順といえます。
勝手に故人の口座からお金を引き出すことで、他の相続人と相続トラブルになることもあるのでこの点は注意して欲しいと思います。
金融機関への相談によって
- 必要書類に記入をする
- その上で葬儀費用だけを引き出す
というようにしてもらえますので、後々問題となることも少なくなるはずです。
金融機関での故人口座からの費用の引き出し
ではもう少し金融機関での故人口座からの現金引き出しについて紹介していきます。
手続きには法定相続人全員分について下のような書類などが必要となります。
- 銀行所定の書類への記入、署名、実印の押印
- 印鑑証明書
- 戸籍謄本
法定相続人の人数が多くいたり、また遠方にいるとこのようなものを揃えるのに時間がかかります。
葬儀費用は葬儀社にもよりますが、だいたい7日から10日前後を支払い期限としているところも多いので間に合わないということもあるかもしれません。
その場合には、とりあえず肩代わりして支払い、金融機関での手続きが終わって補填してもらうというような方法も必要となります。
参照
簡易的な故人口座からの葬儀費用の引き出しで必要な書類とは?
一方で金融機関によっては葬儀費用をごく簡易的な手続きで引き出してくれるところもあります。
このような金融機関では
- 葬儀費用にかかった葬儀社などの領収書
- 念書
といったものがあれば引き出しに応じてくれることもあります。
故人の定期預金からの葬儀費用の引き出し
普通預金であればまだ良いのですが、故人の口座が定期預金という場合もあります。
このときには金融機関に相談する方法しかとれませんので、上で解説しましたような正式に法定相続人の書類などを集めないといけないことになります。
故人口座の金融機関での抹消
故人の口座については相談しても抹消されることもありません。
金融機関には相談して大丈夫なわけですが、上のような葬儀費用の捻出の手続きも死亡の情報が金融機関に伝わっても抹消はないので落ち着いて手続きしても問題ないということです。
抹消については遺族が金融機関に抹消手続きをしなければスタートしません。
故人の葬儀費用の引き出しは一般的にはどのような方法で行う?
ということで
- 正直に金融機関に相談すれば口座が凍結されてしまう
- 正式には必要書類を揃えて金融機関に相談した上で引き出すのが良い
- しかし引き出しに時間がかかるので、多くの場合には金融機関に相談せずに葬儀費用だけ引き出しているのが実際のところ
というようにいって良いです。
3つめの方法を採用している人が多いわけですが、くれぐれも自分だけが使うような葬儀以外に使うようなお金を引き出さないようにしてください。
遺族から訴訟されるというような悲しい将来が待っていることもあります。
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